「七人のイヴ」ニールスティーブンスン 日暮雅通・訳 早川書房 2018

[ネタバレ]

突如、月が七つに分解して、地球に隕石になって降り注ぐことがわかった。残された時間は2年。人類は人物を選別し、わずかな人間を国際宇宙ステーションを基礎とした「箱舟」へと送り込む。やがて<ハードレイン>が始まり、故郷の地球は火の球体と化した。生き残った人類は、命がけのミッションや政治闘争で犠牲者を出しながら、数少ない生存への選択肢を、リスクを背負って取り続ける。小惑星の谷間に「箱舟」を辛くも着陸させたあとに残った者は女性8名だった。彼女らは卓越した遺伝子工学を駆使して、自分たちの生物学的・社会的特徴を持った子孫を残すことを決める。

それから5000年。彼女ら"イヴ"の子孫は地球を囲むリング上で、レッド陣営とブルー陣営に分かれた闘争状態にあった。両陣営は、<ハードレイン>を生き延びて独自の進化を遂げた人類を巻き込み地表の領有権を巡り、地表での戦いを始めた。